【泣ける話】心温まる感動秘話。見ただけで思わず泣いてしまう泣ける話が見たい!

 

 

こんにちわ、よってぃんです

 

 

 

今回は泣ける感動話シリーズ第二弾です

 

 

前回の第1シリーズはこちらから↓

https://www.crazyboymijgroup.info/entry/2019/04/05/

 

 

 

面倒な前置きはさておき

このシリーズを始めたきっかけなどは

第1シリーズをご覧ください🙇‍♂️

 

 

アナタの心に響く温もりをお届けします

 

 

 

それでは早速

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1. 母の願い

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田舎の小さな町に貧乏な家庭があった。

そこには母親1人と弟と暮らす男の子がいた。

長谷川大樹。貧乏な母子家庭で育てられた男の子だ。来年18歳となり夢を追いかけ東京へ出ることになっていた。

 

大樹の家庭では父がいない。

呑んだくれで働きもしない。そんな父に愛想を尽かして母は大樹と弟を連れて家を出た。

母の実家暮らしの中で数年前に祖父母は亡くなり母は一人で自分をここまで育ててくれた。

 

しかし、大樹はいつも孤独だった。

 

弟の病の関係で母の意識は常に弟にあった。兄である大樹は「長男なんだから」といつも何事も一人でこなしてきた。

でも誰より甘えん坊で愛情が欲しかった大樹は母からの愛情不足で非行に走った事もある。

 

問題を抱える父からは幼い頃から暴力を振るわれストレス解消の道具にされていた。

大樹は家に帰っても居場所がなかった。だから夜の街へ居場所を求め彷徨ううち地元で名を知らぬ者はいない程に問題児となった。

 

「どうせ俺は相手にされてない」

 

それが大樹の口癖だった。

母は弟しか愛していない。俺はいらない子。邪魔だろうから大学進学と共に家を出る。そう決めていた。

 

高校も無事卒業し明日、遂に東京へ出る。

嫌な思い出しかないこんな家をようやく出られる。そう思っていたがどことなく母が気になった。

 

母のいる居間を覗くと何かをしている母。

大樹に気がついたのか「入りな」と声をかける。大樹は母の前に座り強気に言い放った。

 

「やっと邪魔者がいなくなって清々するな」

 

嫌味にこもったその言葉に母はすかさず返した

 

「もう帰ってくるんじゃないよ」

 

冷たいその言葉に大樹は感情を抑えきれなかった。

 

「今まで散々邪魔者扱いしておいて最後の最後まで俺はいらない子かよ!あんたみたいな人の家に生まれて来なきゃ良かった」

 

つい口にした親が最も傷つくであろうその言葉。しかし大樹は黙っていられなかった。

高校卒業前、母に夢を話した。

 

「東京に出てタレントとして食っていく。失敗したらまた頭冷やしてここに帰ってくるかもな」

 

翌日、大樹は荷物をまとめ、駅へと向かった。

もう帰ってくることのない地元の景色を眺めながら色んな感情が湧いてきた。

最後まで居場所のなかった生まれ故郷。もう二度と帰ってこないだろうな、と。

 

見送りに来た母に言葉も交わさず電車に乗り込もうとすると母は珍しく微笑んだ顔で小包を大樹に渡した。

 

「行ってらっしゃい」

 

久しぶりに見た母の笑顔だった。

同時に電車のドアが閉まり東京へ出発した。

母は見えなくなるまでこちらに小さく手を振っていた。

 

母が見えなくなり、電車の中で大樹は小包を見つめていた。昨日のこともあってか、その小包を開ける気にはなれなかった。

 

前もって契約していた家に着くと小包を部屋の片隅へ置きそのまま開けることはなかった。

 

そして大樹は東京で下積み時代を経験した。

大人から怒鳴られ罵声を浴び批判を受ける。想像以上の過酷さが大樹を襲った。それにしばらくは耐えられた大樹だったが次第に限界に追い詰められ夢を諦めそうになった時、夜の暗い部屋の中で人知れず涙を流していたところへ、ふと母の小包が視界に入った。

 

もうこっちに来てから半年ばかり。小包は少し埃っぽくなっていた。

 

無心に小包を開けると小さな箱が入っていた。

中には家族3人で映る写真立てと大樹の好物だった母の手作り弁当が入っていた。

もうとっくに中身はダメになっているが、中のものは全部、大樹が幼い頃からずっと好きだったものばかりだった。

 

そして小包の下から一枚の封筒が出てきた。

中を開けるとそこには母からのメッセージが綴られていた。大樹が出発する前夜、母が居間でやっていたのはこの手紙だった。

 

「大樹へ。

今までまともに親らしい事をしてあげられなくてごめんね。弟にばかり気を取られあなたに目を当ててあげられなかった。

話さなくなったあの日からずっと仲直りしたかった。けどなんて声をかけていいのか分からなかった。

大樹は昔から大人っぽくてしっかりしてるから大丈夫だってお母さんどこかで勝手に思ってた。でもそれがあなたに負担をかけてしまっていた。本当にごめんなさい。

私のこと嫌いでも私は大樹を愛しています。

あなたが話してくれた夢の話を聞いた時、私は心の底から嬉しかった。

諦めないで頑張りなさい。最後まで直接言えなかったけど卒業おめでとう。そしてありがとう。

辛くなったりしんどくなったらいつでも帰ってきていい。お母さんはずっと大樹の味方です。

長谷川大樹のファン第1号として見守っています」

 

大樹は涙が止まらなかった。自分は勝手に愛されていないと思っていた。

母はずっと自分を見ていてくれたのに。愛してくれていたのにずっと冷たくし続けた。

寂しい思いをさせていたのは自分の方だったんだとこの時初めて気がついた。

 

母が出発前夜に言った「帰ってくるな」という言葉。あれは大樹のためだった。

大樹は夢が失敗したら帰ってくるつもりだった。母にもそれを話していたし弟からも聞いていたらしい。

帰ってくるなというのは成功させろ、諦めるなという意味だった。

それでも辛かったら帰ってこいと。

 

大樹は気がつくと母に電話をかけていた。

 

「母さん…ごめんな」

 

弱々しくなったその声に母は

 

「大丈夫。大樹ならやれる。だって私の子だから。でも本当に辛くなったら一人で抱え込むないで母さんのところへ帰ってきたらいい」

 

その日から大樹は母のため夢を叶えた。

 

 

 

 

 

2. 花束

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私の名前は香織。

 

普通の高校を出て普通の大学に行って、会社もそんなに有名じゃないけど大きなところへ行ってごく普通の暮らしをしていた。

 

そんな私にも大好きな彼氏がいる。

高校の時、同じ部活で出会った正輝だ。

 

生真面目で大人しくて人見知りが激しい私とは性格が正反対な正輝。

 

バイクが好きで車も好きでアウトドア派で何よりヤンチャな正輝はいっつも周りに迷惑かけて高校の時なんかも停学なんて当たり前みたいな不良だった。

 

好きになったきっかけは同じ軽音部で好きなバンドが共通で話しが合う事からだった。

正輝が彼氏になってからは不安になることが多かった。顔は平均以上にイケメンだし何より正輝自身が女好きっていうのもあって、しょっちゅう他の女の子と遊びに行ったり、私がいるのに他の子と話しで盛り上がったりして。

 

それは社会人になってからも一緒だった。

正輝は同じ会社の子とご飯に出掛けたり、夜私が電話をかけても通話中。

デートだってしたらしい…

 

それでも私は正輝が大好きだったからアイツの性格を考えて大概のことはOKしていた。

結婚だって考えてたから別れたくなかった。

フツーの子なら他の女の子と遊びに行く時点で別れると思うんだけど、私の場合、二人きりの時にすごく優しかったり楽しかったりするから離れるに離れられなかった。

 

そして休みを合わせて行ったデートの後、車で私を家まで送ってくれた正輝は「お前が彼女なのは今日までな」と言った。

 

どういうことなのか分からず戸惑っていると正輝は「早く降りろ」と私を急かした。

車から降り正輝のセダンのテールランプの灯りがどんどん遠くに行ってしまう。離れれば離れるほど涙が溢れてきた。

 

きっといい人が見つかったんだ…。

 

私は正輝にフラれた事を理解し部屋に戻り泣きまくった。

 

もう日付を跨ごうかという23:55分に正輝から「降りてきて」とLINEが来た。

 

降りていくとそこにはスーツを着て

花束を持った正輝がいた

 

「お前が俺の彼女なのは今日まで。今この瞬間から俺の永遠のパートナーとして結婚して欲しい」

 

失恋の涙から一転、私は嬉しさでまた泣いた。

 

「はい…。よろしくお願いします」

 

そう言うと隠れていたのか高校時代の友達がクラッカーを鳴らし祝ってくれた。

正輝はずっと今日のデートで私にプロポーズをするためにサプライズを用意していてくれたらしい。

 

少しドライブしようという正輝と車に乗り地元の夜景を眺めながら正輝は静かに私に言った。

 

「色んな女の子と今日まで遊んできたけどやっぱりお前ほど一緒にいて落ち着く奴は一人もいなかったし、何より俺のパートナーにはお前しかいないって再確認できた」

 

正輝からもらった花束にはピンク色のコチョウランとキキョウが詰められていた。

 

 

 

 

 

 

 

お・わ・り

 

 

 

次回もまたきてね